丹羽結花
- 2017年12月21日
京都市京町家の保全及び継承に関する条例、制定に至るまでの市民の取り組み
全国町並みゼミ・名古屋有松大会前日の11月16日、画期的な「京都市京町家の保全及び継承に関する条例」が制定された。京町家所有者は,京町家を取り壊そうとする場合,できるだけ早い段階で京都市まで届出をすること、 届出後,京都市が、支援制度の情報提供や事業者団体等と連携して活用方法の提案・活用希望者とのマッチングなど,当該京町家を保全・継承するために必要な支援を行う、というものだ。この条例について、2017年11月17日の町並みゼミ初日の「各地からの報告」で、京町家再生研究会の丹羽結花さんからの紹介があり、多くの参加者が「今年の町並み三大ニュース」と受け止めたのではないかと思う。この度、各地からの報告では十分に伝えきれなかった制定までの経過について、丹羽さんから詳しい記事が寄せられた。 *** 2017年11月17日、第40回全国町並みゼミ名古屋有松大会「各地からの報告」で紹介しましたとおり、京町家再生研究会では条例化に向けてさまざまな活動をおこなってきました。そのいきさつを簡単に紹介します。いずれについても京町家通信(ニュースレター)で詳しく報告して


山本玲子
- 2017年12月16日
八女に200人「第5回九州町並みゼミ八女福島大会」&「第5回まちなみフォーラム福岡」
「第5回九州町並みゼミ八女福島大会」&「第5回まちなみフォーラム福岡」が、9月30日(土)〜10月1日(日)に「おりなす八女」で開催されました。第29回全国町並みゼミ八女大会プレゼミをきっかけにして始まった九州町並みゼミは7年ぶり、第35回福岡大会をきっかけにして毎年開催されている福岡県内の「まちなみフォーラム」に加え、今回は九州内の重伝建地区の方々が八女の重伝建選定15周年のお祝いにかけつけ、約200人が集まりました。 初日午前中にドキュメンタリー映画「まちや紳士録」が上映され、午後は八女の町並みを見学をスタートに、開催セレモニー、続いて、NPO法人塩田津町並み保存会(佐賀県嬉野市)、雲仙市教育委員会(長崎県神代(こおじろ)小路)、NPO法人小保(こぼ)・榎津藩境のまち保存会(福岡家大川市)、新町・古町町屋研究会(熊本県熊本市)の4団体が「各地からの報告」を、さらにまちなみパネルディスカッション「危機に瀕する歴史的建築物の再生と観光まちづくり」では、連盟理事の大森洋子・久留米工業大学教授をコーディネーターに、篠山を中心とした兵庫県内の動き、佐賀


福川裕一
- 2017年12月16日
30周年をむかえた川越一番街・町並み委員会
川越一番街の町並みをマネジメントしてきた住民組織・川越町並み委員会が30周年をむかえ、11月10日「30年報告会」が行われた。 町並み委員会は、1986年度に川越一番街商店街共同組合が取り組んだコミュニティマート構想モデル事業の結論に基づいて、組合員が「町づくり規範に関する協定」を結び、1987年9月に発足した。同協定にもとづいて、67のパタン(町づくり・建築の原則)からなる「町づくり規範」を定め、これを規準に一ヶ月に一回、住民が建築計画等を持ち寄って議論する。10年後、一番街一帯は、1996年に重要伝統的建造物群保存地区へ選定され、市役所が保存計画によって町並みをコントロールする仕組みが整備されたが、その後も建築計画等をまず町並み員会に諮る体制は維持されてきた。当初は、商店街組合の一小委員会であった町並み委員会は、2009年8月には保存計画に基づく住民協議会と位置付けられ、2015年3月には市景観条例の定める景観推進団体となった。この間、グッドデザイン賞特別賞(1999)、日本都市計画協会大賞(2003)、まちづくり月間国土交通大臣賞(2013


事務局
- 2017年12月14日
今年度の峯山富美賞、丘如華・台湾歴史資源経理学会秘書長が受賞、全国町並みゼミ名古屋有松大会で贈呈
峯山富美賞選考委員会(片寄俊秀委員長)は、第二回峯山富美賞の受賞者として丘如華・台湾歴史資源経理学会秘書長を決定、第40回全国町並みゼミ名古屋有松大会で、選考委員の大森洋子理事をプレゼンテーターとして贈呈した。丘如華は、これまでの町並みゼミ参加の思い出のスライドを上映、会場と一体になって町並みゼミのこれまでを振り返った。 峯山冨美さんは2010年12月28日に96年の人生を閉じられた方です。60代で「小樽運河を守る会会長」として歴史的環境の保存運動に取り組み、当時は厚い行政の壁にはばまれ、保存運動は困難をきわめていましたが、故・木原啓吉先生と出会い、第2回全国町並みゼミ近江八幡大会で小樽運河保存のアピール、1980年の第3回全国町並みゼミ小樽・函館大会を成功させました。今から37年前のことです。その原動力となったのは、なんといっても人を愛してやまなかった峯山さんの包容力と人徳の高さであり、峯山さんのお名前を残したいとある篤志家から全国町並み保存連盟にお申し出を受け、昨年、峯山冨美賞を創設しました。地域の文化と歴史的集落・町並みなどの保存・再生・活