川上光彦
- 2022年5月7日
自主条例を重ね、緻密な歴史環境保全システムをつくりあげてきた金沢、金澤町家保全活用条例のもと、歴史的建物の改修・活用が着々とすすむ:第5回HUL連続講座の記録
金沢の歴史的環境保全について、金澤町家研究会を主宰する川上光彦・金沢大学名誉教授から講義をしていただいた。歴史環境保全施策を切り拓き、今や歴史的建築物の改修・活用に邁進する金沢。もっと学ぶ必要があると認識を新たにした。 金沢市も、京都と同じように、重要伝統的建造物群保存地区がカバーするのは城下町だった区域の一部である。しかし、城下町の区域全体(=HUL)を対象に、緻密な歴史環境保全システムを組み立ててきた。歴史まちづくり法や景観法など、国の制度を活用することはもちろんだが、基本的な手段は先取り的に積み重ねられてきた自主条例である。1968年、日本で最初の町並み保存条例である伝統環境保存条例を定めたのを皮切りに、景観分野と居住・都市環境分野をあわせて20余の自主条例が定められている。たとえば、こまちなみ保存条例は、重伝建地区外にこまちなみ保存区域を定め、重伝建地区と同様の効果を発揮させようという制度。ほかの自治体でもぜひ研究して欲しいと思う制度だ。ほかにも、金沢職人大学校や町家情報バンクなど、官民の刮目すべき活動が幅広く取り組まれている。 2013


阿佐伊 拓
- 2022年5月4日
インタビュー・シリーズ❷ 竹富島憲章のバックボーンとなった「うつぐみ」の精神:竹富島集落景観保存調整委員会の阿佐伊拓さん
各地で歴史まちづくりに取り組む方々へのインタビューをシリーズでお届けしています。全国町並み保存連盟では「集落・町並み憲章」の解説本の作成をあたり、18ある節のそれぞれに、もっともふさわしい活動をされている団体へのインタビューを載せるという方針で編集を進めています。解説本では、原稿量も限られ、刊行も少し先になるので、インタビューが終わり次第、なるべく全文を公開していきます。二回目は、竹富島集落景観保存調整委員会の阿佐伊拓さん。憲章第9節「住民主体のまちづくり」に関連して、お話をうかがいました。なおインタビューは、2022年3月17日に「集落・町並み憲章」解説本編集委員会(全国町並み保存連盟運営会議が兼務)がオンラインで行いました。 ダウンロードしてお読みになりたい方はこの文章をクリックしてください 福川:集落・町並み憲章の解説本を作ろうというプロジェクトが進行しております。憲章は全部で18節からなっていて、各節ごとにノートや解説をつけるんですけれども、その冒頭はぜひ連盟の会員のへ方のインタビューで構成しようということで、順番にインタビューをお願いし

