上野邦一
- 2020年11月14日
「歴史的町並み・集落保存憲章」ができるまで:およそ二年間、数えきれない議論の積み重ねの上に成文化にこぎつけた
本年6月に開催された総会で「歴史的町並み・集落保存憲章」(以下「町並み憲章」)の改定が承認された。これまでの17項目は変えずに「18. 21世紀を迎えて」を加えた。全国町並み保存連盟が2000年に定め、国際的にも認知されてきた「町並み憲章」をアップデートするにあたって、川越の荒牧澄多氏をリーダーにワーキンググループを組み検討した。その結果「本憲章の完成度がきわめて高く、20年後の現在から見てもまったく色あせていない。その旨の項を追加してアップデートする」という結論に至り、このような改定を行った。 この度、この素晴らしい「歴史的町並み・集落保存憲章」の起草にあたった上野邦一奈良女子大名誉教授に「「歴史的町並み・集落保存憲章」ができるまで」をまとめていただいた。1998年の全国町並みゼミ東京大会に始まり、2000年の日南大会で披露されるまでの2年間、成文化まで粘り強く作業が続けられた経過が克明に記されている。特に、原案を起草し、病をおして参加されていた稲垣栄三先生の姿に涙する。 6月の総会では、憲章作成を中心的に推進された益田兼房さんから解説版をつく

