伝統構法を評価し、活かす:2025年全国町並み保存連盟通常総会(京都)勉強会の報告
はじめに 町家をはじめとする歴史的建物の保存再生で先導的な取り組みを行なっている京都市が、さらに大きな一歩を踏み出すかもしれない。 『新建築』3月号の巻頭「建築論壇」に、京都市の寺門宏之さんの「まちを継承する取り組み:伝統的構法が拓く建築の未来」が掲載された。寺門さんには、昨年(2025年)6月に京都市長江家で、全国町並み保存連盟総会に合わせて行った勉強会で、講師を務めていただいた。その時、予告された「伝統的構法による町家の新築」を推し進める取り組みについての論文だ。今日の建築基準法のもとで、伝統的構法で町家を新築しようとすると、多くの時間と労力を注ぎ込むことが必要である。それを「国交省略認定」というシステムで乗り越えようという試みである。 なぜ町家の新築か? 寺門さんの前にお話をいただいた作事組の末川協さんは、伝統的構法で町家の改修を行ってきた経験を紹介しつつ「この辺でも、町家は1日2軒なくなるのですごくナイーブになるんですけど、新築の道さえ開ければ、その気苦労はなくなるのかな」と心情を吐露された。町家の新築は、末川さんの10年来の持論だ
福川裕一
7月20日

